北大路公子といふひと

私が最近物凄くハマっている人がいて、その人の名前は北大路公子さんと言う。

 

念のために説明しておくと、俳優の北大路欣也とは何の関係もないので注意されたい。

 

その北大路さんは北海道に住むフリーライターで、日々の出来事などを綴ったエッセイ本を何冊か出している。

 

現在50代独身・両親と実家暮らしの彼女は、とにかく脱力系ライターだ。

書くことと言えば酒飲んで泥酔して昨夜の記憶がないとか、確定申告が面倒だからとりあえず飲みに行ったとか、税金払うための金で飲みに行ったとか、そのような酒絡みのエピソードばかり。

 

酒以外はと言えば、雪かきの話や両親の愉快な生態や、友達から鍋買わされそうになった話など。

話の内容は著者の身の回りで起きた実にくだらない出来事ばかりなのだが、妄想やホラ話を交えながら語られているので話がとんでもない方向に行ってしまうこともしばしば。

 

毎日同じことの繰り返しのように見えるその生活が、しかし何故かすごく笑えるのだ。

何度読み返しても決して飽きることはない。

 

それはやはり、実は北大路さんは才女であって、くだらない文章の中にも卓越したセンスがきらりと光るからではないだろうか。

 

私のおすすめは一番最初に読んだ「生きていてもいいかしら日記」である。

それを読んで気に入ったら、「頭の中身が漏れ出る日々」、10年以上前に書かれた日記を書籍化した「ああ無情の泥酔日記」シリーズも最高に笑えるのでぜひ読んでもらいたい。